怖いもの知らず

外国語、外国人と異文化体験・ビジネス・身辺雑記

外国語スクールって・・・?

外国語スクールの運営

「外国語スクールのマネージャーってどんな仕事?」と人様から聞かれると、私はいつもこう答えることにしていた。「置き屋のおかみみたいなもんです」

外国人講師と英語でコミュニケーションをとったりするので、傍目にはグローバルで、かこいい仕事と見えるかもしれませんが、結局は芸者(講師)と客(受講生)の両方に気を使い、部屋(教室)の回転率を上げるよう苦心する。

「上級者ばかりのうるさいクラスだから、Nancyには無理でしょう。Jamesの初級クラスと交代させよう」「木曜夜に1クラスへ閉講になったから、あいているJamesでビジネス英語のクラスを増やそうか」「Anneのクラスの受講生からクレームが来てるって?CDの操作に時間がかかるので何とかしてほしい?はいはい、Anneには事前の準備をきっちりするよう申しつけますので・・。」といった調子。クラスや受講生は「客」に、外国人講師は「女の子・芸者」に置き換えてみてほしい。

 外国語によるクラスの違い

スクールでは10カ国語の外国語クラスを開講していたが、その言語によってクラスに特徴があり面白い。昼のフランス語クラスには、他のクラスに決していない、いかにもおフランスなおば様方がお出ましになり、授業後はミックスされた香水の匂いを追い払うため、窓を開けて換気することが必須だ。夜のタイ語のクラスには職場から直行した作業服のおじ様が在籍。「少しはしゃべれんと従業員と意思疎通ができんからね。」まじめです。スペイン語のクラスには、必ずお調子者のフリーターがいる。「ふらっと南米へ行きたい」というのだが、「行ってどうする」というところまでは考えていないらしい。クラスでは明るく、真面目で同級生のおばさま方のアイドル。せっせとバイトして、スペイン語を覚え、1年ほどするとふらっといなくなる。「~ちゃん、どうしているかねえ」とおばさま方の心配だけが残る。そこへまた、新しいふらっとちゃんが御入講。南米にはある種の人々を刺激してやまない何かがあるらしい。韓国語・中国語のクラスは受講生の平均年齢が高いせいか、授業中、白板マーカーが出なくなった、とか追加のコピーが欲しいとか、事務室にやってくるのは、なぜか受講生。他のクラスは講師が来るのが普通なのだが。授業時間がもったいないから受講生が来るのかと思ったがそうでもないらしい。クラスはちんまりと、まとまり、みんなで講師の面倒を見るといった感じなのだ。また中国人・韓国人は年上の受講生に対しては、非常に丁寧でダメだしをすることができない。従って中級、上級と長く続けている受講生の天下となってしまう。「そんなものを授業でやってもおもしろくない」と授業内容、教材に口を出すのはもとより、ちょっと肌合いの違う新しい受講生が入ってくると、

「あなたみたいに中国語のお上手なかたは、もう1つ上のクラスへ行かれたらどうです?わしら、ふらふらと金魚のうんこみたいに先生の後について勉強しとるだけだから」あるいは「火曜日のクラスの方が分かりやすいと思いますよ。このテキストの最初からやっているから」などと体よく追い払う。あんたらは仲良しクラブか。何年も通っているお得意様の受講生たちだが、仲良しクラブで固まってしまうのは講座運営上、頭が痛い。新しい刺激を好まない、ゆるい世界がお好きな地方の日本人の特性か。

 スクールの朝

朝出社すると、先に出社したスタッフか専任講師のRichがコーヒーを入れてくれる。オフィスにコーヒーの香りが広がり、外国語スクールの一日が始まる。出席簿を確認して、あわてて教材をコピーするBruce (君は前もって準備をするということができんのか) Teachers Manualや教材CDを探してオフィスをうろうろするSteve。(何で毎回物が無くなる?机の上くらい片付けろ)昨日ユニクロでぴったりサイズのTシャツを発見したと自慢するBobby.(瘠せるほうが先だな)

みんな、今日も一日がんばろう。懐かしい日々。

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